保険外併用療養の拡大を/規制改革分科会が中間報告
行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会(分科会長=大塚耕平内閣府副大臣)は4月30日、保険外併用療養の範囲拡大に向けた対処方針の中間報告をまとめた。倫理審査委員会を設置している医療機関は、同委員会で承認した療養を届け出ることで保険外併用療養を可能とするよう提案。具体的な内容に関しては、2010年度中に結論を得る目標を掲げた。
同分科会が想定している「届け出によって保険と併用できる療養」の範囲は、医療技術や医薬品などに限定。差額ベッド代や時間外診療など、診療内容と直接、関係ないものは当面、対象外とした。また、代替治療がない重篤な患者に対して最先端の治療が可能になるよう、一定の要件の下で、治験段階や臨床研究中の療法を選択できる制度構築に向けた検討に着手するよう求めた。
医療ツーリズムに関しては、医療を受けるために来日する外国人への短期滞在ビザの新設を提案。本人以外の同行者にも、同様のビザの発行を認める方針を盛り込んだ。また、現在は運用で認められている外国人医師が実施する教授目的での診療行為について、制度上、明確化した上で、日本に滞在できる期限を延長するよう指摘した。
厚生労働省が提案している「特定看護師(仮称)」については、制度化に向けたモデル事業の早急な実施を求めた。さらに、医師と連携しながら、特定看護師よりも主体的に医療行為の一部を担う「診療看護師(仮称)」の創設に向けた検討に着手すべきとした。
このほか、ICT(情報通信技術)を利用した遠隔医療の拡大に向けた検討を進めるよう要求。救急医療の充実に関しては、救急搬送と医療機関のデータをリンクさせるため、厚労省と総務省が10年度中に検討を開始するよう求めた。また、ワクチン基本法の制定などに向けて、ワクチン政策を総合的に議論する常設組織を設置すべきと指摘した。
(5/7MEDIFAXより)