保険外併用療養「規制の合理化」/自民・参院選公約  PDF

保険外併用療養「規制の合理化」/自民・参院選公約

 自民党は6月17日、参院選の選挙公約「J−ファイル2010」を発表した。保険外併用療養の範囲拡大に向けては「一定の有効性、安全性、倫理性を満たした新しい治療方法を保険診療と併せて受けることができるように規制を合理化する」と明記。その上で段階的に保険医療への導入を検討するとした。

●やりすぎは皆保険壊す危険/加藤厚労部会長

 保険外併用療養の範囲拡大について、党厚生労働部会の加藤勝信部会長は同日、メディファクスに対し「あまりやりすぎると、これまで築いてきた皆保険制度が崩壊していく危険性を内在している」と指摘。「あくまでも、これから保険収載される可能性のあるものについてその窓口を広げていく。こういう方針で取り組んでいくというのが道筋ではないか」と説明した。

 持続可能な医療提供体制の実現に向けては、診療報酬を大幅に引き上げた上で、勤務医の処遇改善や医学部定員の増員、臨床研修医制度の見直し、医師の偏在の是正などを掲げた。また、国が1000人体制の「県境なき医師団」を結成し、必要な地域に医師を派遣することを提案。公立病院の経営健全化に向けては、過疎地域や産科、小児科、救急医療などを中心に、地方交付税措置を増額するとした。

 他の先進国と比較して遅れているとの指摘があるワクチン施策に関しては、子宮頸がんワクチンや肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの定期接種を含めた感染症予防を促進すると記載。がん対策の充実に向けては、子宮頸がんと乳がんの無料検診を実施するとした。このほか、看護職の処遇改善や精神科医療の推進、高齢者に対する在宅歯科医療の充実を盛り込んだ。

 介護関連の施策に関しては、2012年度に介護報酬を大幅に引き上げる一方、公費負担の増額により介護保険料の上昇を抑制すると約束した。介護施設に入居できない待機者問題の解消に向けては、介護療養型施設の在り方や参酌標準などの見直しとともに、特別養護老人ホーム等を20万床整備することで対応。介護支援専門員については国家資格化を目指すとした。

●消費税率は「当面10%」

 これらの施策の実現に必要な財源の確保について、複数税率の導入などを検討した上で消費税率を当面10%まで引き上げると明記。消費税を含む税制の抜本改革の検討に向けては、超党派による円卓会議等を設置して国民的な合意形成を図るとした。

 自民党の谷垣禎一総裁は同日の会見で「財源の裏打ちのある社会保障の充実で安心を実現していく。消費税等について、その必要性を国民に訴えていかなければならない」と語った。また、09年総選挙の民主党マニフェストについて「ほとんど実行できなかった」と指摘した上で「(今回の民主党マニフェストは)われわれのカーボンコピーのようなもの」と批判した。(6/18MEDIFAXより)

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