保団連近ブロ 大阪国税局に要請
適正な申告をするために調査時の録音や指摘事項の文書化を求める
保団連近畿ブロックは2月17日、医療機関への税務調査と税務行政の改善を求め、大阪国税局と懇談した。懇談には、保団連理事・安藤元博大阪協会経税部長、吉岡正雄兵庫協会経税部長、事務局合わせて9人が出席。大阪国税局からは野間総務課長補佐、岡係長の2人が対応した。
懇談では、事前に提出した13項目にわたる「税務行政の改善を求める要望書」に基づいて懇談した。
重点要望のうち、今回は(1)帳簿書類(コンピュータデータを含む)は持ち帰らず、現地での調査を徹底すること。(2)納税者が依頼した「立会人」の排除をしないこと。また、調査時の録音を認めること。(3)調査終了後は、結果がいかなる場合でも、指導・指摘事項を書面で通知すること、の3点を強く求めた。
帳簿の持ち帰りについては、基本はその場で調査することとなっている。統括官の考え方によるのかもしれないが、局として帳簿類を持ち帰るよう指示しているわけではないと回答した。
また、調査時の録音や立会人を認める求めに対しては、税務署員が守秘義務違反に問われる可能性があるのでお断りしていると従来の見解を繰り返した。保団連側からは、厚生行政である保険診療の指導・監査では、弁護士の帯同や録音が認められてきている事実や時代の変化も引き合いに出しながら改善を要望した。
調査終了後の書面による結果通知については、指摘事項が多い時などは個々に書面で通知している。また、更正をする時には理由書を出しているが、要望として該当部署にあげおくとした。
その他の項目について、納税者の立場に立って税務行政を行うよう、税務大学校で指導している。「医者に交際費は必要ない」「不正請求をしているのではないか」など不適切な発言をする署員がいれば、国税局総務課やその署の上司に報告していただきたいとした。
なお後日、協会の協力税理士から、国税局交渉を行った後に実施された法人税の調査において、早々に是認通知が発行された。近年にない対応で大変驚いた。近畿ブロックの国税局交渉の成果があらわれているのではないかという報告を受けた。