依然として「転換未定」多数
/都道府県調査「介護療養は存続」との見方も
第4期介護保険事業計画(2009年度−11年度) の策定にあたって、各都道府県は療養病床の転換意向調査を実施している。転換意向の状況について都道府県の担当課はメディファクスの取材に対し、介護療養型老健の報酬額が示された後も「転換未定」とする医療機関が多いとの見方を示した。医療機関からは「国が方針を転換し、介護療養病床は存続するのではないか」との声も聞かれるなど、転換先はいまだ不透明な状況だ。
転換意向調査の多くは療養型老健が創設された5月から6月にかけて行われていた。5月に転換意向調査を行った埼玉県では、「国が12年度末の療養病床目標数を大幅に修正」との報道があったことから、回答に「待った」をかける医療機関が出てきたと指摘。調査は現在集計中とした上で「療養病床再編の方針自体が不透明で、介護療養病床は残るのではないかとの見方もある。療養型老健に変われば戻れないので、11年度末ぎりぎりまで検討する病院が多い」と分析した。
療養型老健の施設サービス費が低いとの声も多い。福岡県は転換意向調査について「ヒアリングでは療養型老健の報酬が低いとの受け止めが多かった。むしろ一般病床や医療療養病床への転換が増えている印象もある」とした。
療養型老健の介護報酬のみでは転換先は決まらないとの指摘もある。広島県は、現時点では小規模医療機関からの転換意向が多いものの「老健は規模が大きいほど収支状況が良く、スケールメリットがある。経営面は単純に介護報酬だけでは判断できないだろう」と指摘。香川県も「療養型老健の報酬は転換意向にそれほど反映していない。報酬だけで経営的にやっていけるかは分からない」とし、「療養室の面積基準を6.4平方メートル以上とする経過措置がどうなるのかなど、むしろ12年度以降の転換支援措置を不安視する施設が多い」と指摘した。(7/14MEDIFAXより)