会員の期待に応え活動強化を 地区医師会長との懇談会開く
協会は11月13日、地区医師会長との懇談会を協会会議室において開催した。地区から18人、協会から7人が出席、総務部会の岩野理事の司会で進められた。増田副理事長から2009年度医療費の動向、鈴木副理事長から2010年診療報酬改定の検証について、政策部会の渡邉理事から地域包括ケアと医療のあり方について情報提供を行い、その後意見交換を行った。
冒頭、関理事長は9月末の協会事務所移転について報告し、「今後も協会は、すべての保険医の生活と権利を守ることを目的に、精進していく。常に会員の声に耳を傾け、医療に関する政策提言をし続ける団体でありたい」と挨拶した。
協会からの情報提供に関し地区からは、地域包括ケアの研究会メンバーについて質問が出され、その上で「厚労省の政策の決定過程は不明瞭かつ不透明」との意見があった。また地域包括ケアの定義についても、「『概ね30分以内に介護や医療の適切な提供』としており、都市はさておき、地方では到底実現は不可能である。実態をしっかりと把握した上で実践につなげるべき」との疑義が出された。これに対し協会は、「研究会メンバーは大学教授などが中心で、医療の現場に携わる人たちはほとんどいない」と回答し、「すでに地域医療は崩壊寸前であり、彼らが描くシステムの構築は難しいだろう」との見解を述べた。
また医療ツーリズムや「人体の不思議展」などについて、「医療を商売として取り込もうとする流れがある。医師として意見を出しても、軽視されるばかりか、『医師=悪者』といった認識が広がっている」とし、協会に対し、そのような市民の意識を払しょくし、医師としての立場が尊重されるような活動を期待したいと要望された。これに対し協会は、「良識ある医師の団体として時宜にかなったシンポジウムなどを今後も開催し、会員や府市民の期待に応えたい」などと述べた。
さらには近年、新規開業数が減少している状況に関して、地区から「新規開業融資をもっとアピールすべき」「保険請求など開業時に誰もが遭遇する困難に対して、きめ細やかなフォローをお願いしたい」との意見があった。協会からは、「開業予定者への講習会および新規開業医のための基礎講習会(2面参照)を定期的に開催している。また、審査や個別指導に関しても、十分なサポートができると自負している」と回答した。
その他、エコキャップ運動の再開を求める声や、休業補償制度、保険医年金など共済活動に対するご意見、事業税に関する要望など、多岐にわたり意見交換が行われた。
区医師会長から協会への要望等を受けた懇談会