代議員月例アンケート(80)  PDF

代議員月例アンケート(80)

特定秘密保護法について

対象者=代議員92人 回答数=35(回答率38%)
調査期間=2014年3月末〜4月15日

 特定秘密保護法が昨年12月6日に強行採決された。世論調査では、成立後も反対51%、賛成24%で、国会審議について「不十分」が76%、「十分」が11%であり、成立に賛成の層でも59%が「十分でない」と回答している(朝日)。政府はこうした国民の不安にこたえるどころか、次々と明らかになる法の不備について審議を打ち切るかたちで成立させた。協会は同法が市民の知る権利、取材・報道の自由、表現の自由等を侵害し、民主主義を破壊するものであり、医療機関にとっては「適正調査」により患者の病歴等プライバシーの提出を強要されることから、同法の廃止を求める取組を継続して行っている。そこで、同法について代議員の考えをきいた。

7割が医療機関の回答義務知らず

 同法は特定秘密を取り扱う該当者に「適正評価」(薬物の濫用及び影響、精神疾患、飲酒等含む)を実施すると規定し、医療機関には病歴を当局に回答する義務がある。こうしたことが法案審議の終盤に明らかになったが、このことを「知らなかった」は71・4%で、「知っていた」28・6%を大きく上回った。(図1)

患者との信頼関係を壊す懸念

 前問の適正評価と情報提供義務についてどう考えるかについて、「患者と医療者の信頼関係を壊す懸念」48・6%、「患者の基本的人権を優先すべきだ」45・7%。一方で「国の安全保障を守る一環として仕方ない」も20・0%あった。(図2)

情報なく民主主義が機能しなくなる

 同法が施行されることに対し、不安に感じることは、「民主主義が機能するために必要な情報が公開されない」65・7%、「知らないうちに特定秘密に関わり罪に問われかねない」48・6%、「特にない」は8・6%だった。(図3)

8割超がこのまま施行すべきでない

 同法の今後について、「修正または法整備必要」が45・7%、「廃止すべき」が37・1%と「このまま施行すべきでない」という意見が82・8%を占めた。「このまま施行してよい」と「(その他)さらに強化すべき」とする意見がそれぞれ1人(2・9%)ずつあった。修正または法整備について「米国並みの公文書公開」「外交以外の情報を秘密としない法制定」という具体的意見があった。(図4)

精神神経学会が秘密保護法に反対

 特定秘密保護法の「適正評価」に対し、日本精神神経学会は3月15日に反対見解を発表した。同法の適正評価制度は▽精神疾患、精神障害に対する偏見、差別を助長し、基本的人権を侵害▽守秘義務を破壊▽精神科医療全体が監視対象になる危険性が高い—などと訴えた。

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