代議員月例アンケート(79)  PDF

代議員月例アンケート(79)

“地域包括”点数について
対象者=代議員92人 回答数=41(回答率45%)
調査期間=2014年2月末〜3月14日

 今次診療報酬改定で、「地域包括」を冠した「地域包括診療料」「地域包括診療加算」及び「地域包括ケア病棟入院料」が具体化された。国は「医療から介護へ」「病院・施設から地域・在宅へ」という流れを推し進め、その中心に地域包括ケアシステムを構築。その中でかかりつけ医に提供者としての役割と「緩やかなゲートキーパー機能」を期待し、総合診療専門医としても位置づけようとしており、今回の改定はその端緒となるもの。12月度及び1月度のアンケートでは外来包括点数について否定的意見が多くを占めているが、改めて、(1)「地域包括診療料1503点(月1回)」(2)「地域包括診療加算20点(1回)」についてきいた。

78%が「届出しない」

 (1)「地域包括診療料」を届けると答えたのが2人(4・9%)、(2)「地域包括診療加算」は1人(2・4%)。「いずれも届出しない」は32人(78・0%)、「わからない」が6人(14・6%)だった。(図1)

国の政策意図に警戒も

 上記の届出しない方の理由は、「要件に該当しない」が65・6%、「在宅医療・介護保険に関わっていないから」「国の政策意図に賛同できないから」が34・4%、「登録医制度につながるから」28・1%、「点数が低く実態に合わないから」21・9%、「出来高払いの原則を壊すものだから」18・8%と続く。(図2)

厳しい要件に該当せず

 さらに上記の該当しない要件について、「時間外対応加算、常勤医師3人以上、在宅療養支援診療所((1)は全て、(2)はいずれか一つが要件)」が85・7%、「院外処方の場合の24時間対応薬局との連携」が61・9%、「患者の把握(かかっているすべての医療機関の把握とすべての処方薬の管理、そのカルテ記載)」が57・1%、「関係団体主催の研修修了要件」が52・4%、「健康管理、健康相談」「敷地内禁煙」がそれぞれ4・8%。(図3)

届出をする理由

 届出する方の理由については、(1)を選択した2人とも「地域において担うべき機能を評価しているから」を選択、うち1人は「算定しないと取り残される」も選択した。(2)を選択した方は理由について無記入だった。(図4)

◇  ◇

 今後の開業医医療については下記の意見があった。▽一方で女性の社会進出、一方で在宅医療の推進…家には誰がいるのか? また、今まで社会に貢献してきた退職者の方々に負担を強いるのか?矛盾する政策に疑問を抱かざるを得ない▽制度創設のたびに複雑さを感じる。極端にいえば全診療所に開放すればよい▽今後も基本的には出来高払いだと考えている—。

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