代議員月例アンケート(75)社会保障制度改革国民会議の議論について  PDF

代議員月例アンケート(75)社会保障制度改革国民会議の議論について

対象者=代議員92人 回答数30(回答率33%)
調査期間=2013年7月19日〜26日

 政府の社会保障制度改革国民会議は、8月上旬に報告書の取りまとめを行うべく作業を進めている。70〜74歳の医療費窓口負担の2割への引き上げや市町村国保の都道府県への移管は大筋で意見が一致したと伝えられている一方、フリーアクセスの制限や所得に応じた医療・介護サービスの負担増などについては引き続き議論するとされている。こうした内容について代議員の意見をきいた。

70〜74歳の負担2割化に6割反対

 70〜74歳の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げることについては、57%が「負担抑えるべき」とし、「負担求めるべき」は30%、「わからない」10%、という結果となった(図1)

図1 70〜74歳の2割化について

 70〜74歳の医療費窓口負担は、06年に成立した医療制度改革関連法で、08年度から2割に引き上げられることになっていたが、07年参院選で大敗した自公両党が1割に抑える特例措置をとり、継続している。ましてや物価が上がり、消費税が増税されるときこそ高齢者の負担は抑えるべきとの声が上回った。

国保広域化に不安の声

 市町村国保の都道府県化については複数回答できいたところ、「国の責任において全国一本化を目指すべき」が53%、「都道府県間の地域格差や過度の『適正化』を懸念」が43%、これに対し、「都道府県化を積極的に評価する」は7%にとどまった(図2)

図2 市町村国保の都道府県単位化について

フリーアクセスや自由開業制堅持を

 フリーアクセスや自由開業制の見直しが議論されていることについて複数回答できいたところ、「フリーアクセスや自由開業制は堅持すべき」63%、「まず必要なのは地域に必要な医療確保と体制構築」50%となり、「ある程度のアクセス制限や開業制限は必要」は13%であった(図3)

図3 フリーアクセス・自由開業制について

 国民会議では、「必要なときに適切な医療を適切な場所で最小の費用で受ける」医療に転換すべきとして、かかりつけ医にゲートキーパーの役割を担わせる一方で、医療計画において診療所の開業制限をすることも視野にいれた発言もされるなど、さらなる医療機関の集約化、効率化で医師不足や偏在問題の解決を図ろうとしている。こうした方向には反対との考えが多数となった。

ページの先頭へ