代議員月例アンケート(74)リハビリの提供体制について
対象者=代議員92人回答数28(回答率30%)
調査期間=2013年6月10日〜21日
市リハセン附属病院の継続望む声多数
医療の提供体制について、急性期医療への資源集中と平均在院日数の短縮、その受け皿としての在宅医療重視や地域包括ケアシステム創設が国によって強調されている。そのためリハビリテーションの重要性はますます高まっているにもかかわらず、日数制限など診療報酬上の算定制限が課せられ、充分な医療が保障されていないのが実情だ。そんなさなか京都市において、京都市身体障害者リハビリテーションセンター(市リハセン)の縮小が打ち出され、医療者、利用者ともに不安な状況におかれている。協会はこの間、市への意見書提出や専門職、関係団体らと実行委員会をつくり、市リハセンのあり方について提言してきた。こうした問題について代議員の意見をきいた。
リハ診療報酬の 改善が必要
現行リハビリテーションの診療報酬は、回復期リハ病棟には最大でも150日以内という入院日数制限があり、疾患別リハには原則最大で180日の算定制限が設定されている。さらに14年4月からは「標準的算定日数」を超えて要介護被保険者等に対して行われる脳血管疾患や運動器疾患の維持期リハは、原則医療保険で算定できなくなる予定である。しかし、日数を超えてリハビリが必要な患者は存在し、リハビリでADLが改善する例も報告されている。
このことについてどう考えるかを複数回答できいたところ、リハビリ日数制限の問題について、「必要な医療を保障するために診療報酬改善」が39%、「介護でなく医療で保障すべき」36%、「診療報酬以外の手立てを講ずべき」18%、「医療全体の財源を考えるとある程度は仕方ない」が11%であった(図1)。
採算性を超えた 存在は必要
市リハセン縮小問題も含めた提供体制について複数回答できいたところ、「採算性を超えた存在は必要」が61%、「医療機能も備えたリハビリの拠点は必要」46%と、リハセン附属病院廃止に否定的意見が上位を占めた。これに対し「民間施設で受けられるのなら公的施設は継続しなくていい」32%であった(図2)。
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リハビリ、あるいは市リハセン問題に関して、困ったことや経験した事例についての主な意見を掲載する。
◆リハセンは困難、重症の患者さんに対し丁寧で専門的な治療やケアを行っていると思うので、民間病院の手本になると思う。
◆脳血管疾患や運動器疾患のリハは標準的算定日数内で終了可能とは思われない。最近、知人のケースでリハがとても有効で本人の前向きに生きる意欲を引き出すことを経験した。これが数字上の問題で中止になることは許されない。
◆在宅リハを担当するPT、OTがなお不足しています。