代議員月例アンケート66/今の政治の状況について
- 実 施=2012年5月17日〜31日
- 回 答=35
- 対象者=京都府保険医協会代議員95人
- 回答率=36・8%
朝日新聞が2月に実施した世論調査では、「民主党と自民党以外の政党を中心にした政権に代わるのがよい」が29%と、「民主中心」19%、「自民中心」21%を上回っている。さらに「民主・自民以外の政権」を望んでいる層のうち、69%が「維新の会」に議席を取ってほしいと答えている(2月13日)。
各社の世論調査でも、下がり続ける野田政権の支持率が20%台に低迷するも、自民党など既存の政党への支持も低迷している。政権交代から2年半余り、再び政治への信頼が薄らいでいる現状について、会員が何を志向しているのか。協会代議員の評価をきいた。
与党への不支持54%
まず、与党が進めている政策の方向性について、「支持できない」が54・3%、「支持できる」が25・7%、「わからない」20・0%であった。(図1)
さらに「支持できない」と回答した方の、不満や不安な点については「政権公約を違えていること」(36・4%)「社会保障・税一体改革やTPP参加」(34・1%)「原発政策」(18・2%)の順である。
野党への非評価66%
次に野党の評価について、「評価できない」が65・7%、「評価できる」はわずか2・9%、「わからない」が25・7%と、与党よりもさらに厳しい目が注がれている。(図2)
「評価できない」と回答した方の、不満や不安な点については、「与党との調整力」(41・0%)、「政策提案力」(38・5%)、「与党との対抗力」(12・8%)の順である。
見えない打開の道筋
今の政治状況の何が問題かについては、「政策方針自体に問題があるとは思うが、野党の側からも明確な対案が出てこず打開の道筋が見えない」が45・7%、「政党や議員の離合集散が、どういう脈絡で行われているのか理解できるので不信感を持つ」が30・4%、「政策方針は良いが、それを断行する力に欠ける」が15・2%。(図3)
維新の会の評価3分
橋下・維新の会への評価は、「期待する」「期待しない」「わからない」で3分されている(図4)。期待する意見は、長い閉塞状況からの突破力、強いリーダーシップ、実行力への期待感がみられるが、一方で「暴走しかねない」との現実的評価も。それに対して期待しない意見は、大衆迎合的、独裁的、ファッショ的な手法への危機感や恐怖感が綴られている。
◇ ◇
今の日本に必要なのはどのような政治かについての、自由意見を抜粋して紹介する。
- 明確な対立軸のもとに政界・政党が再編成されることを望む、そのためにも小選挙区制を廃止し、完全比例代表に移行すべき。
- 政局ではなく本当の国民の利益の政治。
- 官僚社会主義を打ち破り、戦後の高度成長時代の統治システムを、現在の低成長社会に即したシステムに構築しなおし、無駄を省くシステムとすること。
- 今だけでなく将来を見据えた政策を。
- 国民に負担をかけることなく財政再建を行えるという柱のある政治、これを常に心がけた政策が必要。
- 必要なのは財政、社会保障、外交、教育であって「政治」ではない。つまり「政治」家は要らない。
- 将来、日本をどういう方向に導いていくのかが明確に描ける政治。
- 75歳になったら生活の心配をしなくて良いような日本にしてほしい。グローバリズムには一定の歯止めを。社会保障の充実のための消費税には賛成。
- 橋下氏のような強い人が現実を見つめて判断を下す政治が必要。やっかみや足を引っ張ったり阻止したり、嫌がらせをする情けない政治屋はもううんざり。具体的には増税よりも無駄を省いて真の意味で必要な予算を組めばやっていける政治。
- まじめに考えまともに説明する政治。よい医療にも通じることです。
- 大衆に迎合しない、株価、GDPの上昇を目指さない政治。
- 小異を捨て一致して国力(人口、経済力、防衛力、外交力等)の回復に向け早急に取り組む。
- アメリカと大企業優先の政治をやめさせること。金融、企業のグローバル化に歯止めをかけさせ、グリーン産業奨励発電に切り換えること。