他医療機関受診、透析患者らの減額緩和案／中医協総会

　厚生労働省は１１月３０日の中医協総会に、入院中の患者が他医療機関を受診した場合に入院基本料などが減額となる仕組みを２０１２年度診療報酬改定で緩和する案を示した。精神病床や有床診療所の入院患者が透析目的で他医療機関を受診した場合などについて、減額幅を縮小する見通し。

　現行の仕組みでは、出来高病棟の入院患者が他医療機関を受診した場合、入院基本料が３０％減額となる。特定入院料等算定病棟では、入院患者が他医療機関で特定入院料等の包括範囲に含まれる診療行為を受けた場合は７０％、包括範囲外の診療行為を受けた場合は３０％、それぞれ減額となる。厚労省は、精神病棟や有床診療所では特に他医療機関受診の割合が高いと指摘。理由として合併症の管理が困難であることを挙げた。透析患者は頻回の透析が必要だが、透析治療が可能な医療機関は限られており、他の疾患で入院した場合は他医療機関受診が必要となる場合がある。

　厚労省はこれらの状況を踏まえ、精神病床や有床診療所、結核病床の入院患者が透析を受けるために他医療機関を受診した場合の減額幅を縮小することを提案した。

　厚労省案を受け、委員からは「小規模な医療機関、あるいは単科の医療機関でも患者は専門的な治療を求めている。そういったものをできるだけ評価するようにしてほしい」（鈴木邦彦委員＝日本医師会常任理事）などの声が上がった。（１２/１MEDIFAXより）