介護職員定着に向けた報酬改定を/総務省、厚労省に勧告
増田寛也総務相は9月5日、介護サービスの利用者が増加する一方、事業者が介護サービス従事者を確保することが困難な状況にあるとし、職員の定着に向けて介護報酬を含む具体的な改善策に取り組むよう舛添要一厚生労働相に勧告した。
総務省によると、介護サービス従事者の離職率は21.6%で全産業平均の離職率16.2%より高いほか、介護関連職種の求人倍率2.10倍も全職種の平均求人倍率0.97倍より高い状況にある。総務省は「厚労省は離職や未就業の原因把握のほか、どのような対策が講じられれば就業するのかなどについて調査すること」と勧告。その上で介護サービス従事者が定着するような介護報酬の算定を求めた。
また、増田総務相は、市町村が行う介護サービス事業者に対する監査体制の整備策を講じることも舛添厚労相に勧告した。総務省によると、不正受給などによって2000−05年度に指定取り消しを受けた介護事業者は328事業所に上り、介護給付費の返還請求額は約55億円に達した。厚労省は不正な介護サービスが提供されていないか市町村に監査を求めているが、06年度に実施した総務省の調査によると、調査した76市町村のうち19市町村が監査を実施していなかった。(9/8MEDIFAXより)