介護職員のたん吸引で試行/厚労省、11年3月から
厚生労働省の「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」(座長=大島伸一・国立長寿医療研究センター総長)は8月9日、事務局が示した試行事業案をおおむね了承した。50時間の講義などを盛り込んだ基本研修と実地研修を受けた介護職員約120人が、現在は医行為に当たるたんの吸引と経管栄養の一部を要介護者らに実施する。介護職員の講師となる医師や看護師への研修を10月から開始し、11年3月には介護職員によるケアの試行が行われる見通しだ。
試行事業で実施する行為はたんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)と、経管栄養(胃瘻、腸瘻、経鼻)。口腔内のたんの吸引については咽頭の手前までを限度とし、経管栄養の状態確認については、看護職員が実施することとした。
実地研修の対象施設は特別養護老人ホームや介護老人保健施設、障害者(児)施設、訪問介護事業者(在宅)など。医療・介護の連携体制が整っていることや、指導看護師を介護職員数人につき1人以上配置できることなどが条件となる。
指導者講習を受けた医師と看護師60人程度が、介護職員に50時間の講義を実施。介護職員はその後、実地研修を経て、施設や在宅でたん吸引などを行う。(8/10MEDIFAXより)