介護職員による吸引や経管栄養「解禁」も検討/特養検討会が初会合  PDF

介護職員による吸引や経管栄養「解禁」も検討/特養検討会が初会合

 厚生労働省は2月12日、「特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会」の初会合を開き、吸引や経管栄養など、特養での医療的ケアの在り方について検討を開始した。特養での医療ニーズが高まっている実態を受け、介護職員による吸引や経管栄養の実施の有無も含めて議論する。

 報告書の取りまとめ時期は未定。検討会の位置付けについて、厚労省老健局計画課の菱田一課長は終了後、記者団に対し「介護職員の医行為については、あくまで現行法の範囲内での議論になる」と述べた上で、ALS患者に対する非医療者の吸引を検討した過去の検討会なども踏まえ慎重に議論するとした。

 205年の厚労省医政局長通知によると、吸引は「医行為ではないと考えられるもの」に該当せず、現行法では医行為として見なされる。このため介護職員による実施は原則として認められていない。一方、厚労省が同日示した「特養における医療的ケアに関する実態調査」によると、約6割の施設で口腔内吸引が実施されており、看護職員と介護職員の協働による実施も7割に上った。介護職員単独での吸引は「違法」に当たるものの、多くの特養で吸引など医行為に介護職員がかかわっているのが現状だ。

【特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会メンバー】(敬称略)

 木村晴恵・日本介護福祉士会副会長▽木村光江・首都大学東京都市教養学部法学系学系長▽島崎謙治・政策研究大学院教授▽高階恵美子・日本看護協会常任理事▽田中涼子・高齢者福祉総合施設ももやま副園長▽樋口範雄・東京大大学院法学政治学研究科教授▽桝田和平・老施協総研介護委員長▽三上裕司・日本医師会常任理事

(2/13MEDIFAXより)

ページの先頭へ