介護給付適正化事業、98%の保険者が実施/厚労省が07年度暫定集計結果

介護給付適正化事業、98%の保険者が実施
/厚労省が07年度暫定集計結果

 厚生労働省は7月2日の「介護保険事業運営懇談会」で、介護給付適正化計画の集計結果(暫定版)について報告した。45都道府県の2007年度の暫定集計結果を見ると、98.5%の保険者(市町村) が何らかの介護給付適正化事業を実施していた。主要5事業の実施平均は64.0%だったが、「ケアプラン点検」が3割強にとどまるなど事業によって実施率のばらつきが見られた。

 介護給付費の増加を抑制することを目的に、各都道府県では主要適正化5事業(認定調査状況チェック、ケアプラン点検、住宅改修等点検、医療情報との突合・縦覧点検、介護給付費通知) の実施目標を盛り込んだ「介護給付適正化計画」を策定。厚労省は08−10年度を強化期間と位置付け、最終年度には5事業をすべての市町村で実施することを求めている。

 集計結果によると、07年度の主要5事業の実施率は「認定調査状況チェック」87.5%、「住宅改修等の点検」75.0%に対し、「ケアプラン点検」は38.0%、「介護給付費通知」は52.2%と実施率が低かった。厚労省は実施率が低い事業について「介護給付費通知を出すことによって、どこまで介護給付費の削減につながるのか効果が分かりづらいのではないか」と分析している。

 同日は「介護給付適正化事業による効果」(06年度版) も報告した。主要5事業のうち、実施している事業数が多いほど被保険者1人当たりの給付額(居宅サービス) の伸びが抑制されていることが分かった。具体的には、主要5事業全てを実施している保険者は前年度比マイナス7.73%、4事業が同7.49%、3事業が同7.10%などに対し、未実施保険者の伸び率はマイナス3.54%にとどまった。未実施保険者でも伸び率が抑えられていることに対しては、厚労省は「06年の制度改正での予防給付見直しの効果が出ている」と分析した。(7/3MEDIFAXより)

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