介護給付適正化事業、伸び抑制で効果/07年度厚労省調査
厚生労働省は10月15日、2007年度の「介護給付適正化推進運動実施状況調査結果」と「介護給付適正化事業の効果」を公表した。何らかの介護給付適正化事業を実施している保険者は98.5%に上り、ほとんどの保険者で取り組みが進んでいることが分かった。居宅介護給付額の伸び率を見ると、何らかの適正化事業を実施している保険者は、何も実施していない保険者より約5ポイント伸び率が抑制されており、介護給付適正化で一定の効果が見られた。
調査結果によると、07年度に何らかの適正化事業を実施したのは1636保険者(98.5%) で、前回調査(99.4%) より0.9ポイント減少したものの、ほとんどの保険者で実施していた。主要適正化5事業すべてを実施しているのは217保険者で、前回調査(135保険者) と比べ82保険者の増加。一方、いずれも実施していないのは25保険者で、全体に占める割合は1.5%にとどまった。主要適正化5事業別では、「要介護認定の適正化」は87.5%、「住宅改修・福祉用具実態調査」は75.0%が実施していた一方、「ケアプランの点検」は最も実施率が低く38.0%にとどまるなど、適正化事業によりばらつきが見られた。
介護給付適正化事業の効果を見ると、何らかの適正化事業を実施している保険者の居宅介護給付額の伸び率は3.05%で、何も実施していない保険者の伸び率(8.18%) より5.13ポイント低く、適正化事業により給付額の伸びが抑制されていることが分かった。また、主要適正化5事業すべてで実施保険者の居宅介護給付額の伸びが抑制されており、特に保険者の規模が大きくなるにつれて、給付額の伸びが抑えられる傾向が見られた。
適正化事業の実施別に居宅介護給付額の伸びを見ると、最も低いのは「介護給付費通知」2.49%で、次いで「ケアプランの点検」2.57%、「医療情報縦覧点検」2.90%の順だった。(10/16MEDIFAXより)