介護給付費、5兆8743億円で1.4%増/06年度介護保険状況報告

介護給付費、5兆8743億円で1.4%増/06年度介護保険状況報告

 厚生労働省は7月2日の「介護保険事業運営懇談会」で、2006年度介護保険事業状況報告(年報) の概要を報告した。介護給付費は前年度比1.4%増の5兆8743億円だった。サービス別では居宅サービス(介護予防含む) は2兆7467億円(構成割合は49.3%)、施設サービスは2兆4761億円(44.4%) で居宅サービスが施設系を上回った。06年の介護保険制度改正で新設された地域密着型サービスの給付費額は3485億円(6.3%) だった。

 65歳以上の第1号被保険者数は2676万人で、初めて2600万人を超えた。第1号被保険者1人当たりの給付費は21万9000円で、前年度より2.2%減少。厚労省は「06年制度改正の効果と、第1号被保険者数自体が増加したことが影響している」と分析している。

 介護サービス受給者数は1カ月平均354万人(前年度比4.9%増) で施設サービス受給者数は1カ月当たり平均81万人だった。施設類型別に見ると特別養護老人ホームが39万人、介護老人保健施設30万人、介護療養型医療施設12万人。特養は前年度より5.2%、老健は3.4%とそれぞれ増加したが、介護療養型医療施設は8.2%減少した。

 第1号被保険者の保険料収納額は1兆2554億円で、前年度より28.5%増加した。全体の収納率は98.2%で前年度と変わりなかったものの、普通徴収の収納率(89.2%) は前年度より0.8%減少した。厚労省は「保険料額の引き上げと、特別徴収の対象にならない普通徴収者の割合が増えたため収納率が減った」とみており、「収納率が下がらないよう、保険料納付の口座振り替えやコンビニ支払いなどを進めていきたい」としている。

 要介護(要支援) 認定者数は440万人で、前年度より1.8%増加した。第1号被保険者全体に占める認定者数の割合は15.9% (前年度比0.2%減) で、要支援1−要介護2の軽度者は前年度より0.5%下がり、9.9%だった。

 軽度者認定率を都道府県別に見ると、最も高い長崎(14.1%) と最も低い茨城(7.3%) では約2倍の地域格差が見られた。厚労省は「地域格差は縮まりつつあるが、軽度者が重度化することがないよう、認定の適正化を指導していきたい」としている。(7/3MEDIFAXより)

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