介護経営の効率化「対応なし4割」に疑問/給付費分科会

介護経営の効率化「対応なし4割」に疑問/給付費分科会

 厚生労働省は7月17日の社会保障審議会介護給付費分科会で、介護労働安定センターが実施した「2007年度介護労働実態調査」の結果を報告した。同調査で介護事業経営の効率化について「特に対応していない」との回答が4割を占めたことに対し、委員からは「介護事業経営が社会問題化する中、この数字は国民が納得しない」との指摘が上がった。

 同調査は介護労働安定センターが07年、全国の介護サービス事業者と介護労働者に対し雇用管理や研修体制の状況、就業に対する意識などを聞いたもので、14日に公表済み。調査結果によると、介護労働者の離職率は21.6%で前年の20.3%より1.3ポイント上昇したほか、運営上の課題として、64.7%の事業所が「今の介護報酬では人材確保に十分な賃金を払えない」と回答。一方、経営の効率面での対応状況について「特に対応していない」との回答が40.5%に上った。

 厚労省は同日の給付費分科会で、「07年度介護労働実態調査」で明らかになった離職率や賃金構造をさらに詳細分析した資料を提示。離職率の分布が「10%未満」と「30%以上」に二極化しているとした上で「二極分化が地域によるものか、規模や処遇によるものか掘り下げて検証する必要がある」とした。

 また、介護労働者1人当たりの月額賃金は、正社員で「1年以上2年未満」20万7900円から「10年以上15年未満」26万2127円など、勤続年数が長いほど賃金が上昇している実態を示した。(7/18MEDIFAXより)

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