介護福祉士の養成校、今春入学者は定員の46%/
「低収入」などで敬遠
高齢者や障害者を介護するための国家資格「介護福祉士」取得を目指す学生を養成する全国の大学や専修学校などで入学者の定員割れが深刻化し、2008年度の定員全体に占める実際の入学者の割合(充足率) は45.8%と半分を下回ったことが9月1日、厚生労働省の調査で分かった。
背景には、仕事の肉体的なきつさや労働実態に見合わない「低収入」などで就職先として魅力がなくなり、保護者らの反対で進学を敬遠する動きが指摘されている。介護専門職の人材を育てる養成校で大幅な定員割れが続けば、将来の労働力不足が懸念され、介護サービスの質の維持にも影響が出そうだ。
08年4月1日現在の大学や短大、専修学校など国が指定する養成校434校の定員数2万5407人に対し、入学者数は計1万1638人。
充足率は、厚労省が集計を始めた06年度に71.8%(入学者数約1万9300人)、07年度は64.0% (同約1万6700人) と低下に歯止めがかかっていない。学校種別では、学校数が多い順に専修学校で41.3% (07年度は59.9%)、短大で51.0% (同69.3%)、大学で67.1% (同85.2%)、高校専攻科で17.5% (同43.3%)。
04年に約100万人だった介護サービスの職員数は、14年には140万−160万人が必要とされる。入学希望者を増やすため厚労省は09年度から、介護現場の経験者らが中学、高校の生徒や進路指導の担当教師にアピールする説明会を開く。
一定の研修や実習で比較的簡単に資格を得られる介護ヘルパーに対し、より高い専門性が求められる介護福祉士は、専修学校などの養成校を卒業するか、3年以上の実務経験などの条件を満たして国家試験に合格する必要がある。【共同】(9/3MEDIFAXより)