介護療養病床の廃止、3年間延期へ/民主が提言
民主党は12月22日、介護療養病床の廃止を3年延期することなどを盛り込んだ「介護保険制度の見直しに関する提言」をまとめた。党厚生労働部門会議の石毛子座長が、厚生労働省を訪れ、細川律夫厚生労働相に提言を手渡した。細川厚労相は「党の意見をしっかりと拝聴して立法作業に入っていく」と応じた。
介護療養病床は2011年度での廃止が法律で決まっていたが、介護施設などへの転換が進まないことから、厚労省は11年度の廃止については撤回した。今後の取り扱いを決めた上で関連法案を11年の通常国会に提出することになっている。
党の提言では、11年度末の廃止を3年間延期する法改正を求めている。廃止後の転換先については「施設サービス全体で機能・評価の見直しを進める」として、新たな施設体系の創設を含めて、厚労省に病床の転換が進むよう策を講じることを求めた。
また、24時間対応の定期巡回型の訪問サービスなどを求めた。
●負担増は軒並み反対
財源を捻出するための自己負担の引き上げなどに対しては軒並み反対した。ケアプラン作成費の自己負担化や、軽度者の自己負担の1割から2割への引き上げは反対とした。「総報酬割」の導入も「拙速な導入は避ける」と先送りを求めた。
高所得者の自己負担の2割への引き上げや多床室の室料負担の見直しも「実態を把握し検討」としたが、実質的には反対の立場だ。唯一「財政安定化基金」については、基金を取り崩すための法改正を求めた。
石毛座長は「負担を上げたからといって、介護保険の全体の財政にそれほど大きなプラス効果を生むものではない。負担増は基本的にはやらない方向だ」と述べ、負担増に反対する姿勢を示した。
一方で「グループホームへの家賃助成」など、新たな施策の導入で発生する財源問題については「どこから出していくのかは原局の知恵の働かせどころ。工夫をしていただきたい」と述べ、厚労省の取り組みに期待した。(12/24MEDIFAXより)