介護療養、11年度末廃止は撤回/11年、通常国会に改正法案  PDF

介護療養、11年度末廃止は撤回/11年、通常国会に改正法案

 療養病床の再編問題をめぐり、長妻昭厚生労働相は、介護療養病床を2011年度末には廃止しない方針を固めた。厚労省の調査で、転換先を「未定」とした介護療養病床が6割以上あり、介護老人保健施設への転換が進んでいないことが分かったことから、11年度末の廃止は困難と判断した。廃止を猶予して新たな期限を設けるか、廃止そのものを撤回して存続させるかは、年末までに結論を出し、11年の通常国会に関連法の改正案を提出する考えだ。

●既転換施設、85%が医療療養に

 厚労省が療養病床を持つ全国の医療機関を対象に行った転換状況の調査によると、10年3月末までに介護療養病床から転換した2万906床のうち、老健施設に転換したのは5%の1112床で、85%の1万7765床が医療療養病床に転換していた。

 12年3月までの転換意向では、6割以上が転換先を「未定」と回答。老健への転換を考えているのは約1割にとどまった。「未定」の理由では「12年度の医療・介護報酬同時改定の方向性を見てから判断したい」(58%)、「懸念事項があるため転換できない」(52%)、「慢性期医療の受け入れ先としてのニーズが高い」(47%)などが多かった。

 介護療養病床をめぐっては、06年の医療制度改革関連法で11年度末の廃止が決まった。民主党は政権交代を実現した09年衆院選の公約で「当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する」と明記。長妻厚労相も国会答弁などで、実態を把握した上で期限の先延ばしも含めた方針の見直しを検討する姿勢を示していた。(9/9MEDIFAXより)

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