介護療養、療養型老健と同じ傾向/状態像、医療療養とは差
介護療養病棟の入院患者と介護療養型老人保健施設の入所者のうち、医療区分1に該当する人はいずれも7割以上を占めることが、厚生労働省が発表した「医療施設・介護施設の利用者に関する横断調査」の速報値で9月8日、分かった。厚労省は、医療療養病床と介護療養病床の機能分化が進む一方で、介護療養病床の入院患者と介護療養型老健の入所者では、医療区分の割合に大差がないと見ている。
●区分1が7割超、介護療養と療養型老健
厚労省が発表した速報値によると、介護療養病棟の入院患者のうち医療区分1に該当する患者は72.6%で最も多い割合を占めた。医療区分2に該当する入院患者は19.9%、医療区分3は7.5%だった。介護療養型老健については医療区分1に該当する入所者は76.6%。医療区分2が16.1%、医療区分3が7.3%で、厚労省は「介護療養型老健の入所者と介護療養病床の患者では、医療区分の割合に大きな差がない」としている。
●医療療養は区分3が増加
一方、看護配置20対1の医療療養病棟は医療区分1 が12.8%、医療区分2 が54.2%、医療区分3 が33.0%。看護配置25対1の医療療養病棟では医療区分1が36.0%、医療区分2が43.3%、医療区分3が20.7%だった。厚労省によると、医療療養病棟の入院患者のうち医療区分3は、2005年は8.8%、06年は19.0%で「近年は、医療療養病床で医療区分3の患者が増加している」としている。
●医療療養と介護療養「機能分化進む」/厚労省
厚労省老健局老人保健課の宇都宮啓課長は「介護療養病床から介護施設への転換が大部分ではないかという見込みは違っていたが、中にいる患者の状態を見ると、医療療養病床の患者は医療の必要な重い方が結構いる。転換の方向が逆に見えるかもしれないが、介護療養病床に医療が必要な人が多ければ、医療療養病床に転換していただくことが、利用者のためには一番良い。比較的、機能分化が適切にいっているのでは」と述べた。
療養病床の入院患者などについて、10年6月23日時点の状態を調査した。介護療養型医療施設(病院)840施設、医療療養病棟を持つ医療機関1400施設などから回答を得た。(9/9MEDIFAXより)