介護施設で身体拘束が増加/京都府調査、職員少なく
京都府は12月2日までに、介護保険入所施設で行われている身体拘束に関する2007年度の調査結果をまとめた。身体拘束をしていた施設は前年度より29施設増え、身体拘束の廃止が困難な理由に「職員が少ない」を挙げる声が目立った。
調査は特別養護老人ホームなど府内401カ所が対象で、330施設が回答した。
身体拘束は緊急でやむをえない場合を除き、原則禁止されているが、160施設で行われ、前年度より29施設増えた。拘束を受けた人は、延べ930人に上った。
拘束方法として、「降りられないようベッドに柵」が最多の392人(42.2%)。「いすから落ちたりしないようベルトをつける」が116人(12.5%)、「点滴を抜いたりしないよう手や指に機能制限手袋」が111人(11.9%) だった。
大半の施設が「本人や家族の承諾を得ている」と答え、委員会の設置や研修会への参加など拘束廃止に取り組んでいた。
ただ、拘束廃止が困難な理由(複数回答可) では、約6割が「職員の少なさ」を挙げたほか、「事故の場合の家族からの苦情や損害賠償請求が心配」「代わりの設備がない」と答えた施設も約4割に上った。
府健康福祉部は「職員が少なくてもできる身体拘束の代替方法はあり、府も事例の収集や普及に努めたい」としている。