介護従事者の給与、改定後に約8900円増/厚労省調査  PDF

介護従事者の給与、改定後に約8900円増/厚労省調査

 厚生労働省は3月3日の社会保障審議会・介護給付費分科会調査実施委員会に「2009年度介護従事者処遇状況等調査」の集計結果を報告した。09年度介護報酬改定の前後で、介護従事者の給与は月額約8900円増加していた。調査結果は介護給付費分科会に報告する。

 08年9月と09年9月の両方の時期に、事業所や施設に在籍していた介護従事者について、09年度介護報酬改定前後で給与がどのように変化したかなどを調べた。7141事業所を対象に09年10月に実施し、5919事業所(回収率82.9%)から回答を得た。

 09年9月の介護従事者の平均給与額は22万9930円で、08年9月から8930円増えた。職種別に見ると、看護職員の平均給与額は30万6730円(平均年齢47.6歳)で、08年9月から8530円増加。介護職員は19万7960円(平均年齢44.1歳)で、08年9月から8790円、介護支援専門員は31万4650円(平均年齢47.1歳)で、08年9月から9340円、それぞれ増えた。

 厚労省が前回の委員会に報告した暫定的な集計結果では、09年9月の介護従事者の平均給与額は、08年9月から9058円増の23万1366円だった。

介護従事者の給与引き上げ、8割の事業所で実施の見込み

 09年度介護報酬改定後、介護従事者の給与について何らかの引き上げを実施した施設・事業所は68.9%で、引き上げる予定のある事業所と合わせると81.6%だった。

 介護従事者の給与の引き上げ状況を複数回答で聞いたところ、「定期昇給を実施」が 42.7%で最も多かった。次いで「09年度介護報酬改定を踏まえて引き上げた」23.8%、「介護報酬改定にかかわらず引き上げた」20.5%などだった。一方、「給与などの引き上げを行っておらず、今後も引き上げる予定なし」も13.3%あった。

「経営概況調査」「処遇状況調査」の調査票案を了承

 厚労省はこの日の委員会に、7月に同時に実施する「介護事業経営概況調査」と「介護従事者処遇状況等調査」の調査票案を示し、おおむね了承された。介護給付費分科会に報告する。既存情報の活用によって調査項目の削減などを行い、回収率の向上を図るとしている。(3/4MEDIFAXより)

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