介護従事者の医療行為、一部可能に/ビジョン会議「療養介護士」創設は見送り  PDF

介護従事者の医療行為、一部可能に/
ビジョン会議「療養介護士」創設は見送り

 厚生労働省は11月20日、「安心と希望の介護ビジョン」会議で2025年を見据えた施策を盛り込んだビジョンを取りまとめた(資料3)。研修を受けた介護従事者が、安全性が確保される範囲内で経管栄養や喀痰吸引を行う仕組みを整備する方向性を示した。医療行為可能な資格として前回提示した「療養介護士」(仮称) は「唐突すぎる」などの意見を踏まえて削除した。

 厚労省は09年度予算も視野に入れてビジョンの施策に取り組む方針。舛添要一厚生労働相は「医療確保ビジョンと対になるものととらえ実現していきたい。財源は厳しいが、セーフティーネットの整備は経済の活性化にもつながる」と話した。

 ビジョンでは、医療と介護の連携強化に向けて、必要な知識・技術に関する研修を受けた介護従事者が医師や看護師との連携の下、医療ニーズの高い施設で経管栄養や喀痰吸引を一定の範囲内で行える仕組みを整備するとした。将来的に資格や研修の在り方を検討するとしたが、「療養介護士」という具体的な資格制度は明記しなかった。

 また、医療と介護のチームケアの観点から、関係機関や団体などによる「地域ケア推進会議」(仮称)を立ち上げるほか、ケアマネジャーらへの医療研修を実施する。制度面からは、患者が退院する際の病院とケアマネジャーらの連絡体制を確立するとした。

 介護従事者の処遇改善については、各事業所の労働条件や給与水準、教育訓練などの情報の公表を推進する。公表は基本的にすべての事業者での実施を目指す。このほか、高齢者の地場産業などへの参画を支援する「コミュニティ・ワーク・コーディネーター(高齢者地域活動推進者)」(仮称) を今後10年間で3000人育成することや、要介護高齢者のニーズに対応した慢性期医療基盤と救急医療の整備、訪問リハビリステーションの創設などを挙げた。(11/21MEDIFAXより)

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