介護従事者の不足感増大、事業所の57.4%で/介護労働実態調査  PDF

介護従事者の不足感増大、事業所の57.4%で/介護労働実態調査

 介護労働安定センターは8月16日、2012年度の介護労働実態調査の結果を公表した。介護サービス従事者の過不足状況については「大いに不足」「不足」「やや不足」の合計が前年度調査に比べ4.3ポイント増の57.4%だった。「従業員数が適当」という回答は4.1ポイント減で42.0%だった。

 調査は「事業所における介護労働実態調査」と「介護労働者の就業実態と就業意識調査」の2本立て。事業所に関する調査は、介護保険サービスを実施している事業所から1万7500事業所を無作為抽出して調査票を配布し、7511事業所分を集計した。有効回答率は43.5%。また、介護労働者の調査は、訪問介護員、サービス提供責任者、介護職員、看護職員、生活相談員、OT・PT・ST、介護支援専門員を対象に、1事業所当たり3人の上限で無作為抽出した5万2500人に調査票を配布し、1万8673人分を集計した。有効回答率は36.1%。それぞれ12年10月1日時点の状況を聞いた。離職率と採用率は11年10月1日−12年9月30日の期間の訪問介護員と介護職員が対象。

 職種別の不足感は、12年度に続き訪問介護員の67.9%が最も高かったが、12年度調査に比べ2.4ポイントとやや低下。一方、介護職員と看護職員で不足感が増大。介護職員は3.0ポイント増の47.9%、看護職員は2.3ポイント増の42.0%だった。

 介護サービスを運営する上での問題点は「良質な人材の確保が難しい」が2.6ポイント増の53.0%。一方「今の介護報酬では人材確保・定着のために十分な賃金が払えない」は3.4ポイント減の46.4%だった。

●離職率17.0%で12年比増
 12年度調査では改善傾向を示していた離職率は、0.9ポイント増の17.0%と再び悪化傾向に転じた。採用率は2.3ポイント増の23.3%だった。

 介護従事者に聞いた労働条件に関する不満は「仕事内容のわりに賃金が低い」43.3%(0.9ポイント減)が最も多く、「人手が足りない」42.4%(2.2ポイント増)、「有給休暇が取りにくい」35.6%(0.5ポイント減)、「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」30.0%(0.8ポイント減)と続いた。仕事を選んだ理由は「働きがいのある仕事だから」が54.9%(0.8ポイント減)と最も多かった。

●職員月給「15万円以上−20万円未満」が最多
 職員全体の税込月収を5万円単位で尋ねたところ、「15万円以上−20万円未満」が26.3%で最も多かった。正規職員の就業形態別に見ると、「15万円以上−20万円未満」の月給水準が最も多かったのは訪問介護員(34.7%)と介護職員(35.7%)。月給水準「20万円以上−25万円未満」が最も多かったのはサービス提供責任者(37.8%)と介護支援専門員(34.9%)だった。(8/19MEDIFAXより)

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