介護従事者のキャリアアップで論点提示/介護給付費分科会で厚労省

介護従事者のキャリアアップで論点提示/
介護給付費分科会で厚労省

 厚生労働省は10月9日の社会保障審議会介護給付費分科会に、介護従事者の処遇改善対策となるキャリアアップの仕組みについて基本的な論点を示した。有資格者や経験年数の長い介護職員などを多く雇用する事業者を介護報酬で評価する際の考え方が検討課題に上った。

 ホームヘルパーの研修や介護福祉士を多く雇用する事業所への加算については、すでに訪問介護の「特定事業所加算」がある。厚労省の「2008年介護事業経営実態調査」によると、同加算を取得している事業所の介護職員1人当たりの賃金は全事業所との比較で高いことが分かっている。厚労省は同日の会合で、同加算を取得する事業所の割合は08年4月審査分で4.6%に過ぎないと報告したほか、現状では普及拡大が大きな検討課題になっているとも指摘した。

 また、厚労省は、(1)介護の仕事やへルパーの経験年数が長い、(2)介護福祉士やヘルパー1級資格を有する、(3)初任研修・OJT・Off-JTを受講している、(4)サービス提供責任者の能力が高い─などといったケースでは、ヘルパーの介護能力が高まるとした研究結果も示した。

 厚労省が示した論点では、有資格者や経験年数の長い介護職員などの雇用が多い事業者への評価を検討する際は、(1)事業者の雇用管理の改善とその支援、(2)提供されるサービスの質が高く、利用者の理解が得られること、(3)各サービスの介護職員などの実態を踏まえること、(4)利用者負担が増えること─を検討課題に挙げた。(10/10MEDIFAXより)

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