介護報酬の地域区分、割増率を見直しへ/
従事者の処遇改善で厚労省
厚生労働省は10月9日の社会保障審議会介護給付費分科会で、介護従事者の処遇改善対策として2009年度介護報酬改定で地域区分を見直す方針を示した。人件費の高い特別区(東京23区) がほかの地域と比べて利益率が悪い現状を踏まえ、厚労省は現行の地域区分の枠組みは変えず、地域区分ごとの介護報酬の割増率を見直す必要があるとした。厚労省は次回、居宅系サービスについて議論した後、施設系サービスの検討に入る予定だ。
介護報酬の地域区分は、(1)特別区(割増率12%)、(2)特甲地(同10%)、(3)甲地(同6%)、(4)乙地(同3%)、(5)その他─に分けられている。さらに事業支出に占める人件費比率について、(1)60%のサービス(訪問介護、通所介護など)、(2)40%のサービス (施設系サービス、訪問看護、訪問リハビリテーションなど) ―の2分類を設定し、人件費比率に地域区分ごとの割増率を乗じて1単位当たりの報酬単価を算出している。
1日にまとまった「2008年介護事業経営実態調査」では、特別区はほかの地域に比べて人件比率が高く利益率が低い傾向が見られ、厚労省は前回提示した「介護報酬改定の視点」の中でも給与水準の地域差への対応が必要としていた。
厚労省が同日示した案では、地域差の実態をより正確に反映させるために、生活相談員など看護・介護職員以外の常勤配置職員も地域差を勘案する職種に含めることを提案。ただ、医師については都市部で給与が高いとは限らないとして除外するとした。減価償却費や物件費については「地域ごとの有意性はない」とし、現行通り人件費のみを反映させる方針を示した。(10/10MEDIFAXより)