介護報酬に「P4P」導入を検討/厚労省・宮島老健局長
厚生労働省の宮島俊彦老健局長は2月14日、都内で開かれた国際医療福祉大と医療福祉経営審査機構の医療経営セミナーで「地域包括ケアの実現に向けて」をテーマに講演した。宮島局長は、次期介護報酬改定で介護従事者の勤続年数などの評価を導入したことに関し「本当は利用者に対する質の評価が必要」と指摘。介護サービスの質の評価に向けて「P4P(PayForPerformance)といった評価を介護報酬に導入できないかとの考えが上がっている」と述べた。
P4Pは米国などで導入が進む医療提供の質に基づく支払い方式で、臨床実績に対し診療報酬などを優遇する。宮島局長は「介護人材確保のためにはキャリアラダーも必要。これらをどういった形で制度にうまく取り込むかが次の介護報酬改定の課題」とも述べた。
宮島局長はこのほか「欧州諸国では介護職員にも医療行為をさせるという趨勢だが、基礎的な部分で医療と介護の両方を介護職員ができることにしないと、高齢社会でケアの需要に対応するのは難しい」と述べ、専門職間の役割分担の見直しが必要との見方を示した。(2/17MEDIFAXより)