介護報酬、サービスの質・効果で評価を/地域包括ケア研究会報告書
地域包括ケア研究会(2008年度老人保健健康増進等事業)は、25年を目標に地域全体で高齢者を介護する地域包括ケアシステムの構築を進めるための具体案などを盛り込んだ報告書を取りまとめた。介護報酬をサービスの質と効果に基づいて支給する体系や、介護保険の給付範囲の見直しの必要性などを提案した。
報告書では、介護報酬をサービスの質と効果によって決定することが、サービス利用者の視点に立った地域包括ケアシステムの構築につながると提案。サービスの質と効果を評価するためには、パフォーマンスの正確な測定方法を具体化する必要があるとし、施設のサービスを評価する際の評価基準として(1)標準化されたケアの明示(2)標準化されたケアを基準に、要介護者に適切なケアを実施している(3)在宅復帰の実現(4)在宅復帰後も地域で自立した生活を送ることができる─の4項目を挙げた。
介護保険制度について一定の知識を持った住民の代表者が評価に参加する「住民参加型モニタリングシステム」なども提案。事業所を個別に評価するだけでなく、地域包括ケア圏域でのサービス評価も議論すべきとした。
また、介護費用の増加に備え、効率的な介護保険制度の設計を目指す必要があるとして、被保険者と受給者の範囲の見直しなどを検討する必要性があると指摘。医療保険と介護保険の保険料率の整合性や、低所得者の保険料負担の軽減などについて考える必要もあるとした。(5/26MEDIFAXより)