介護労働者の5割が「賃金に不満」/介護労働安定センター
介護労働者の約5割が「仕事の割に賃金が低い」と考えていることが7月14日、介護労働安定センターの「介護労働者の就業実態と就業意識調査」で分かった。「業務に対する社会的評価が低い」との回答も約4割を占め、賃金や社会的評価が、働く上での不満につながっている実態が明らかとなった。「働き続けられる限り介護関係の仕事を続ける」とした割合は5割だった一方で、介護の仕事を続けるかどうか「分からない」とした割合は正社員、非正社員ともに2割を超えた。
調査は2007年11−12月に介護労働者5万1438人を対象に実施し、1万3089人(有効回答率26.0%) から回答を得た。女性が80.6%、男性が18.7%で、平均年齢は42.5歳(男性36.3歳、女性44.0歳)。正社員の割合は訪問介護員が39.2%、訪問系以外の介護職員が65.9%などだった。
働く上での悩みや不満は「仕事内容の割に賃金が低い」が49.4%と最多で、「業務に対する社会的評価が低い」38.4%、「精神的にきつい」35.7%の順。サービス別に見ると、低賃金を挙げたのは訪問系44.2%に対し、施設系は入所型61.6%、通所型52.0%と過半数を占めていた。
介護関係の仕事の継続意志を聞いたところ、「働き続けられる限り」は50.0%で、「3−5年程度」10.9%、「1−2年程度」7.2%だった。仕事について満足度が最も高かったのは「仕事の内容・やりがい」55.0%。逆に最も低かったのは「教育訓練・能力開発の在り方」17.5%で、「賃金」19.1%、「人事評価・処遇のあり方」18.4%など、賃金や処遇に対する満足度が低い傾向がみられた。
能力開発については、採用時の研修を受けたのは52.6%。研修期間は正社員は「1週間程度」、非正社員は「2−3日程度」が最多だった。転職者は82.3%で、うち前職が介護関係の仕事だった人は30.6%。直前の介護の仕事を辞めた理由については「待遇に不満」25.5%が最も高かった。(7/16MEDIFAXより)