介護労働者、離職者の7割以上が「勤続3年未満」
/介護労働安定センター
介護労働者の離職率は21.6%で、離職者の7割以上が3年未満で離職している実態が、介護労働安定センターの「事業所における介護労働実態調査」で分かった。離職率は「10%未満」の事業所が約4割、「30%以上」が約3割を占め、離職率が高い事業所と低い事業所の2極化がみられた。また、月給者の平均賃金は介護支援専門員が最も高く25万7586円で、訪問介護員は18万6863円、訪問介護以外の介護職員19万2587円。事業所の6割以上が「今の介護報酬では十分な賃金を払えない」と回答した。
調査は2007年11−12月に、全国の1万7146事業所を対象に実施し、うち4783事業所(有効回答率28.6%) から回答を得た。07年10月1日現在の雇用管理の状況や運営上の課題などについて聞いた。
調査結果によると、06年10月から1年間の訪問介護員と施設系サービスなどの介護職員(介護職員)の採用率は27.4%、離職率は21.6%だった。職種別に離職率を見ると訪問介護員は16.9%、介護職員は25.3%で訪問介護員の方が低かった。離職者のうち、勤続年数が「1年未満」は39.0%、「1年以上3年未満」が35.7%で、離職者の74.7%が3年未満に離職していた。特に介護職員は離職者のうち勤続「1年未満」が43.9%と約半数を占め、早期に離職している実態がみられた。
介護労働者全体の所定内賃金は月給21万4886円、日給7875円、時間給1105円。職種別で月給を見ると、介護支援専門員に次いで看護職員25万6126円が高く、最も低いのは訪問介護員だった。運営上の課題については、給与水準切り下げ、人員の削減など「人件費総額を圧縮した」との回答が18.5%を占め、64.7%が「今の介護報酬では人材確保などに十分な賃金を払えない」と回答するなど、人件費対策に苦慮している実態が分かった。(7/15MEDIFAXより)