介護保険第5期計画、地域の実態把握がポイ ント  PDF

介護保険第5期計画、地域の実態把握がポイント

 2012−14年度の第5期介護保険事業計画策定に向けて、各市町村が準備を進めている。高齢化が最も進む25年を見据え「地域包括ケアシステム」の実現を目指す第5期では、医療や住まいとの連携も視野に入れながら、地域の実態を的確に踏まえた計画とすることが重要なポイントとなる。

●第5期計画、在宅医療の推進など記載へ
 6月15日に成立した改正介護保険法では(1)認知症支援策の充実(2)在宅医療の推進(3)高齢者にふさわしい住まいの計画的な整備−などについて、計画への記載を努力義務に位置付けた。さらに、地域の実態を的確に踏まえた計画づくりを推進するため、市町村が設定区域ごとに高齢者の心身状況などを把握するよう努めることも盛り込んだ。

●「ニーズ調査」の有効活用なるか
 厚生労働省は第5期計画に向けて、中学校区を目安とする日常生活圏域にどのような高齢者がいるかを調べる「日常生活圏域ニーズ調査」の実施を市町村に呼び掛けてきた。高齢者の身体機能や住まいの状況、認知症状などについて、調査票の郵送と未回収者への訪問調査を組み合わせて、より詳細な実態把握が可能となる仕組みだ。厚労省は、要介護認定者数やサービス利用者数の推計にニーズ調査の結果を反映させることで、より精度の高い結果を得ることができるとの見解を示している。

 厚労省のモデル事業としてニーズ調査を実施した山梨県北杜市からは「運動をしている人が少ない」「移動手段が少ない」などの課題と、それに対する解決策が見えてきたとの声が上がっている。

 厚労省によると、第5期に向けてニーズ調査を実施予定の市町村は11年2月時点で約9割だったという。ニーズ調査の実施によって地域の実態が市町村の策定する計画にどこまで反映されるのか、注目が集まっている。(7/22MEDIFAXより)

ページの先頭へ