介護保険法改定案の拙速な成立避けよ 国会議員、民主府連に要請行動を実施
協会は国会審議中の介護保険法改定案(介護サービスの基盤整備のための介護保険法等の一部を改正する法律案・以下、改定法案と表記)に関する政府と国会議員への要請を実施した。
すでに協会は垣田副理事長談話を発表(前号掲載)し、菅首相や細川厚労相、衆参両院の厚生労働委員らに送付、法案の重大性を指摘し、時間をかけた審議の必要性を求めてきた。
今回の要請活動はそれに引き続くもので、あらためて菅首相らへの要望書をとりまとめて提出するとともに、京都選出議員をはじめ、関連議員への資料届けと与野党議員との面談を行った。
要望書では次の点を求めている。(1)介護保険改定法案の十分な審議、(2)介護保険制度のあり方自体の再検討、(3)施設でも在宅でも、高齢でも障害があっても、その人らしく暮らせる地域包括ケアシステムの実現―。(2面に詳細)
民主府連通じ要望提出
要望書提出は5月24日、民主党京都府総支部連合会を通じて実施。府連側は中小路健吾幹事長代理(京都府議会議員)が対応した。垣田副理事長は要望書を示しながら、介護保険制度導入前には保健所の保健師が困難ケースに対応し、必要があれば特養への措置入院も行った。現在は「なぜこんな悲惨な事例を放置しておくのか」という事態が広がっているとし、公的責任により老人福祉として高齢者の生命を守る施策が必要だと述べた。中小路幹事長代理は、京都府も京都式地域包括ケアを打ち出し、力を入れ始めている。支援センターに指摘の役割を担わせる方針かと考える。しかし、現状は業務量が膨大で厳しく、一人ひとりのニーズを汲み取った施策ができにくい現状もある。今年度は50億円を超える予算措置も行っているが基金を財源にしているため、次年度以降への継続が大きな課題と考えている。国の措置・財源の手当てがなくては難しい。ハード面の整備はその時だけの費用だが、人的なことはそうはいかないとの認識を示した。
中小路幹事長代理に要望書提出
国会議員へも直接要請
国会議員への要請活動は緊急に行ったが、5人の議員に面談することができた。面談した議員は次のとおり。前原誠司議員(衆・民主)、山井和則議員(衆・民主)、川合孝典議員(参・民主)、穀田恵二議員(衆・共産)、井上哲士議員(参・共産)。また、福山哲郎参議院議員の政策秘書とも面談し、同上の趣旨で要請した。各議員からは、「介護保険問題に関しては震災を通じて明らかになった問題も多くあるはずだ」「震災復興に財源が必要だから社会保障が後退するということはあってはならない」等の意見が出され、要望を正面から受け止めてもらうことができた。
協会は、引き続き改定法案の十分な審議を求めると同時に、地域で具体化が進む地域包括ケアシステムに関し、逐一情報を収集し、会員に発信すると同時に、協会内に設置した地域包括ケア検討委員会の検討を進め、真に住民のためになるケア保障システムのあり方を提言し、地方自治体も含めた要望活動を展開する予定だ。
上から前原・山井・川合・穀田・井上議員