介護保険料、低所得者対策で再分化/厚労省  PDF

介護保険料、低所得者対策で再分化/厚労省

 厚生労働省は、低所得者に対する配慮策の一つとして、所得などが一定の基準を下回る第1号被保険者(65歳以上)の負担を保険者の判断で軽減できるよう、保険者が定める標準保険料の4分の3の負担で済む所得段階「第3段階」を細分化する方針を固め、所得基準額など詳細の検討に入った。7月11日に開いた「第5期介護保険事業(支援)計画の策定に係る全国会議」で明らかにした。

 介護保険の第1号保険料は、保険者が定める標準保険料の4分の2の負担でよい第1段階から、標準の4分の6を負担する第6段階までの所得別基準を国が示し、自治体によっては最大10段階に分かれている。第4期介護保険事業では、標準保険料負担となる第4段階を細分化し、年金を含め本人の年間所得合計金額が80万円以下の被保険者については、保険者の判断で、一定の割合を差し引いた保険料が設定できる「特例第4段階」を設けた。

 第5期では、特例第4段階を継続するとともに、第3段階についても同様に細分化するための基準を設け、保険者の判断でより低い保険料が設定できるようにする。老健局介護保険計画課によると、被保険者の所得基準などの詳細については、8月上旬をめどに示す予定だ。

 厚労省がまとめた2009年度の介護保険事業状況報告では、第3段階が被保険者の約12%(331万3560人)、第4段階は約31%(896万8071人)となっている。

 厚労省は第5期に向け低所得者の保険料負担の細分化に向けて検討を進めてきた。政府の社会保障・税一体改革成案の中にも「1号保険料の低所得者保険料軽減強化」が盛り込まれている。(7/12MEDIFAXより)

ページの先頭へ