介護保険改革「家族の問題は遮断」/宮島老健局長
厚生労働省の宮島俊彦老健局長は、9月14日、京都市内で開かれた「NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク第14回全国の集い」で行われた介護保険制度と家族をテーマにしたシンポジウムに参加し、今後の高齢化社会を支えるには基本的な医療モデルの転換を促す必要があると指摘した。シンポジウムには社会学者の上野千鶴子・東京大大学院教授、立岩真也・立命館大大学院教授、黒岩卓夫・同ネットワーク会長らも参加。家族介護のとらえ方と地域の関わり、地域医療との連携などを討論した。
現行の介護保険制度が家族に依拠したものになっているとの批判を中心に議論が進んだのに対して、宮島氏は「制度構築時に家族の問題が論議され、運用での実態としてあるかもしれないが、制度自体には家族の関与は入っていない」としたほか、今後の制度改革についても「高齢化での在宅ケアを考えるときには、家族の問題は遮断して考える必要がある」とのスタンスを明らかにした。(9/17MEDIFAXより)