介護予防事業は再び「予算縮減」/事業仕分け
行政刷新会議の事業仕分け第3弾後半が11月15日、東京都品川区のTOCビルで始まった。これまでの事業仕分けの反映結果を検証する「再仕分け」がテーマで、厚生労働省を担当するワーキンググループ(WG)Aは、2009年11月の仕分けで予算縮減を求めた介護予防事業について議論した。厚労省は09年の仕分け結果を受け、介護予防事業の10年度予算を前年度から85億円削減して176億円とした。11年度も同額の176億円を要求しているが、WGは「事業効果の検証が必要」などの意見を示し、予算をさらに縮減するよう求めた。縮減割合については、複数意見が出されたため「判定不能」となった。
介護予防事業では、被保険者が要介護状態になることを防ぐため、高齢者への啓発活動や相談事業などが実施されている。再仕分けでは、現在の事業内容が介護予防につながっているのか疑問視する声が多く上がった。山崎摩耶衆院議員は介護予防の重要性は認識しているとした上で「今のスキームでは介護予防になっていない。国民が意識を持って介護予防に取り組むような(事業費の)使い方でなければ、費用対効果はないと思う」と述べた。
再仕分け終了後、厚労省の小林正夫政務官は介護予防の大切さを指摘した上で、効果判定に関して「例えば運動したから介護認定を受けるのが遅くなったと証明するのは難しい」と述べた。(11/16MEDIFAXより)