今月の主な動き
政府は7月29日、社会保障費の自然増2200億円削減などを盛り込んだ2009年度予算の概算要求基準(シーリング) を了解した。予算配分の重点化促進へ、公共事業関係費などを圧縮して3300億円程度の「重要課題推進枠」を設定。医師不足対策や成長力の強化など、緊急性が特に高い事業に充てる。
また、政府は同日、社会保障制度の機能強化に向けここ1−2年の間に緊急的に取り組む対策として「5つの安心プラン」をまとめた。地域医療体制を確保するため、へき地に派遣される医師や救急・産科・小児科に従事する医師に対して財政的に支援する方針を打ち出したほか、慢性的な医師不足対策として医師養成数の増加や、看護師や医療クラークらとの業務分担で医師の負担を軽減させる方向性を示した。プランに盛り込んだ項目は09年度予算の概算要求に反映させる。
厚生労働省は7月16日の中医協総会で、07年度の概算医療費の動向を示した。年間概算医療費の総額は前年度比1兆円増の33.4兆円、前年度からの伸び率は3.1%だった。