今月の主な働き
安倍晋三首相は3月15日、TPP(環太平洋連携協定)交渉への参加を正式表明した。今後の交渉で「我が国のセンシティブ品目への特別な配慮など、悪影響を最小限にとどめる」「国民皆保険制度を基礎とした社会保障制度も断固として守る」とした。政府は同日、TPP参加で実質国内総生産は3.2兆円増との試算も公表した。
しかし、この間の報道で、2012年12月から交渉に参加したカナダ・メキシコは、先に交渉を始めた9カ国がすでに合意した内容を原則として受け入れ、交渉をうち切る終結権も再協議も要求できないとされ、日本には交渉の余地が残されていないとされる。
参加表明に先立って、交渉参加を容認した自民党のTPP対策委員会は決議を採択。国民皆保険制度などの「聖域」を最優先で確保し、不可能なら脱退も辞さない覚悟を求めた。