今月の主な働き
政府・与党は6月30日、「社会保障改革検討本部」(本部長=菅直人首相)の会合を開き「社会保障・税一体改革」の成案を決定した。「70−74歳の2割負担」を削除して「高齢者医療制度の見直し」と表現し、例として「自己負担割合の見直し」を挙げるなど民主党の「社会保障と税の抜本改革調査会」の主張を取り入れた。消費増税は「2010年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げ」という記載で着地。閣議決定は、今後進める与野党協議で合意した後に行う。 社会保障改革検討本部はまた、会合で「社会保障・税番号大綱」も決定した。11年秋以降、速やかに国会に法案を提出する。
更に、社会保障給付や負担の在り方を検討してきた経済産業省の産業構造審議会・基本政策部会は6月29日、社会保障と税の一体改革に関連し、社会保障給付の効率化策などを盛り込んだ提言をまとめている。負担の在り方では、負担能力の高い高齢者の公的保険の自己負担割合を拡大すべきと指摘。財源確保のために増税を行う場合は、消費税を引き上げるべきとしている。
東日本大震災における被災市町村の復興に当たっては、政府の「東日本大震災復興構想会議」が6月25日、医療、介護、福祉などが一体的に提供される地域包括ケアの体制整備を行うことを盛り込んだ「復興への提言」をまとめた。