今月の主な働き
厚生労働省は、3月11日に発生した東日本大震災の被災者に対する医療の取り扱いについて、事務連絡を連続的に発出した。発生直後より、日本医師会等医師団体も含め、多くの医療者が被災地へ医療支援に入っている。
一方、国会では2011年度予算が3月29日、成立した。参院本会議は、野党の反対多数で予算案を否決。衆参両院の代表者による両院協議会も不調に終わり、可決した衆院の議決を優先する憲法の規定に基づき成立した。
そのような状況下、与謝野馨社会保障・税一体改革担当相は4月1日、東日本大震災の発生を受けた社会保障改革の検討の進め方について関係者と協議し、政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」(議長=菅直人首相)が開催できるようになるまでの間は、同会議の非公式会合を開いて関係者からのヒアリングや論点の整理を続けることを確認した。
震災への対応と復興支援の輪が日本中に広がる最中、経済同友会は3月30日、「人間としての尊厳を尊重した医療・福祉ビジネスの発展〜持続可能な社会の実現に向け、求められる国民価値観の変化」と題する提言をまとめ、公表した。20年をめどに、高齢化や人口減少が一層進展する中でも持続可能な社会を実現し、国民が享受できる医療・福祉サービスの選択肢を広げることを目標として掲げ、具体的方策として混合診療の全面解禁や医療ツーリズムの振興などを通じた高度医療機器の稼働率向上などを挙げている。