人口10万人以下2次医療圏、患者流出超過9割/DBJ調査  PDF

人口10万人以下2次医療圏、患者流出超過9割/DBJ調査

 日本政策投資銀行(DBJ)の医療・生活室が2010年度の病院業界事情についてまとめた「医療経営データ集2011」によると、人口が10万人以下の2次医療圏では入院患者が圏外に流出した医療圏が多いなど、医療圏の人口規模によって患者の流入・流出に一定の傾向があることが分かった。

 データ集では、患者調査や地域保健医療基礎統計などの国の統計データを用いて、推計入院患者数が流入・流出する割合を2次医療圏ごとに解析し、医療圏人口との関係を調べた。結果を医療圏の人口別に見ると、全国に28圏域ある「100万人以上の医療圏」では、13医療圏(46.4%)で患者流入が超過する一方で、15医療圏(53.6%)は流出超過となっており、大都市圏では特定の傾向は認められなかった。

●人口30万−100万人の医療圏は流入超過
 ただ、地方中核都市に多い人口30万−100万人の医療圏では、流入超過の医療圏が多かった。流入超過となった医療圏の割合は、人口50万−100万人の医療圏(49圏域)で75.5%、人口30万−50万人の医療圏(58圏域)では60.3%だった。

 一方、人口30万人までの医療圏では流出する医療圏の割合が流入する医療圏の割合を上回った。人口20万−30万人(50圏域)では流出超過となる医療圏の割合は54.0%、人口10万−20万人(76圏域)では80.3%、人口10万人以下(87圏域)では93.1%だった。

●県庁所在地の医療圏、流入超過が85%/中心都市に患者集中

 また、全国に348ある2次医療圏のうち、都道府県庁所在地がある47の2次医療圏だけを見ると、流入超過は85.1%の40医療圏となっており、中心都市に患者集中していることがデータによって裏付けられた。一方、残りの301医療圏でも29.9%の医療圏が流入超過となっている。医療・生活室ではこうした3割の医療圏では魅力ある医療体制・地域連携が進んでいると見て「ある種のロールモデルとして特徴を掘り下げて検討したい」としている。

●在院日数は減少へ、利用率は向上
 データ集では、全国公私病院連盟・日本病院会のデータに基づいて病院経営の経時的な動向を分析した。毎年6月の1床1カ月当たりの収支差額を分析した結果、公的病院と私的病院では09年に黒字化し、10年にはそれぞれ6万7000円・5万円まで黒字幅を伸ばした。自治体病院についても赤字幅は縮減し、10年にマイナス16万6000円となった。

 一般病院について経営分析指標を見ると、10年の平均在院日数は平均で16.64日(09年は19.99日)に減少する一方、病床利用率は75.81%(同72.41%)に上昇した。09年までの3年間では、平均在院日数は微増傾向が見られ、病床利用率については減少傾向が続いていた。(8/2MEDIFAXより)

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