京都2014高齢者大学 健康講座
鈴木由一氏が身近な鼻・のどの病気で講義
京都高齢者大学健康講座の第5講は9月4日、協会副理事長の鈴木由一氏が「普段よくみられる耳鼻科の病気」をテーマに、講師を担当した。
鈴木氏は、まず鼻出血への正しい対応を解説した。ほとんどの鼻出血が鼻の入口から約1〜2�あたり、鼻の内側の鼻中隔粘膜で起こっていることをスライドで説明。多くの人は、止血しようとティッシュペーパーを詰めるが、これは抜去時にかさぶたもはがしてしまい、再出血を起こすこと。何度も入れ替えることで傷が拡大すること。ごくまれに取り残しがあり、細菌感染を引き起こすことなどがあると説明。まずは血液を飲みこまないよう前傾姿勢を取り、指で鼻翼の圧迫を行うようにと述べた。
その他、食道異物や気管異物、アレルギー性鼻炎やポリープ様声帯なども解説。魚の骨が刺さるなどの異物では、昔からごはんやパンを鵜呑みにすれば取れると言われているが、ほとんどが取れないと述べ、まずは医療機関への受診をと呼びかけた。
アレルギー性鼻炎では、環境省の花粉観測システムを紹介し、京都府内3カ所での花粉飛散状況がリアルタイムで出ているので、外出などの参考にできると説明。また、最新の舌下免疫療法も紹介した。
最後に補聴器の正しい選択方法や利用方法を解説。補聴器は、装着した瞬間からよく聴こえるようになるものではなく、少しずつ日常で慣らしていく練習期間が必要だと説明した。
次回は、10月2日(木)「ロコモティブシンドローム—高齢者がなりやすい病気、骨折」で田中伸明氏が講師を務める。高齢者大学は、中途入学が可能なので患者さんにぜひお勧めいただきたい。問い合わせは、協会事務局まで。