京都選出の全国会議員に要請 選択療養など協会の主張訴え  PDF

京都選出の全国会議員に要請 選択療養など協会の主張訴え

 協会は4月24日、国会議員要請行動を実施した。当日は保団連が主催に加わる「4・24ヒューマンチェーン行動」が国会周辺で開催されており、これに呼応する形での行動となった。

 要請には垣田理事長、飯田理事と事務局らが参加。

 要請では、医療・介護総合確保推進法案の廃案要求と混合診療解禁反対の2点を中心に議員と面談。同時に、今次診療報酬改定における在宅患者訪問患者診療料「同一建物居住者の場合」の算定における別紙様式14の添付の廃止等を求める緊急要請書提出の件についても、要請した。

 要請にあたり、会員各位へ提起した緊急署名は、短期間にもかかわらず、「医療・介護総合確保法案の廃案を求める要請書」172人分、「混合診療拡大方針の撤回を求める要請書」188人分を集約した。

 署名は、すべての京都選出国会議員へ届けると同時に、当日保団連が設定した厚生労働省交渉等を通じ、飯田理事が直接手渡し、提出した(前号既報)。

 面談したのは次の9議員。田中英之議員(自民・衆)、安藤裕議員(自民・衆)、前原誠司議員(民主・衆)、泉健太議員(民主・衆)、福山哲郎議員(民主・参)、穀田恵二議員(共産・衆)、井上哲士議員(共産・参)、倉林明子議員(共産・参)、清水鴻一郎議員(維新・衆)。

国会要請行動に参加して 垣田さち子

 前日から来日中のオバマ大統領との共同声明の内容を巡って、特にTPP妥結が心配される中、緊迫した雰囲気の国会行動となった。

 本来なら、「輝け! いのち (全ての人に安心の医療・介護を)4・24ヒューマンチェーン国会大包囲」が企画され、全国から集まった人たちが手をつないで国会を取り囲む予定だった。しかし、警備上の理由でパレードの許可も下りず残念ではあったが、日比谷野外音楽堂には5000人を超える参加者が集った。

 保団連も呼び掛け団体の一つであり、京都協会もこれに合わせて、京都選出の国会議員への要請を行った。あらかじめ、事務局が全議員への面談を申し入れ、各議員秘書と綿密に時間調整を行い分刻みのスケジュールを作り、お会いしている。お一人につき30分もとれない時間制約の中で、いかに効率よく要請を伝えられるか、いつも気を遣う。さすがに議員の皆様は常にテンション高くエネルギッシュに語られるので、圧倒されることしばしばであるが。

 維新の清水議員は、今回は野党で前とは勝手が違うが、医療について国会議員として果たすべき役割は大きく、期待も大きいことは自覚している。19の法案を一括審議で通そうというのは無茶だ。特に選択療養の危険性については議論したい。ちょうど明日、質問するので要請内容については参考にしたいと言われた。

 民主党の前原議員、泉議員、福山議員には、要請内容を詳しく説明。医療の問題が喫緊の課題であり日本の皆保険制度が危機的状況になること。4月改定で訪問診療費が大幅に下げられたことで、まじめに在宅医療に取り組む医師が被る負の影響について、京都における具体例を挙げて説明し理解を求めた。前原議員からは、「サ高住」は国交大臣時代に自分が作った制度で、本来の趣旨に沿った良質な高齢者住宅を先生方で是非作ってほしい、との要望も受けた。民主党の低迷について謝罪の言葉があり、安倍さんの暴走には責任を感じる、内部を立て直して頑張りますとの約束も。京都で懇談会を開くことになった。

 共産党の穀田議員、井上議員、倉林議員は、「総合確保推進法案」「混合診療」共に反対の立場で、審議の進み具合、日米共同声明の内容、原発政策、改憲、特に集団的自衛権の問題などについて意見交換を行った。倉林議員は、新たな議席が得られたお陰で、長らく空席になっていた経産委員会を担当し共産党の意見を反映できるのがうれしいと言われたのが印象的。

 今回初めて自民党の新人、安藤議員、田中議員のお部屋を訪問した。お二人とも真摯な勉強家で、先入観なく、遠慮なく突っ込んで意見交換ができたことは有り難い成果。切実な医療現場の思いを共感を持って理解していただけたらと思う。挨拶もそこそこに、いきなり本題を語り合える間柄になるには積み重ねも必要。今後の連携に期待したい。

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