京都府薬剤師会と懇談

京都府薬剤師会と懇談

処方せん様式の変更などで情報交換

 協会は京都府薬剤師会との懇談会を毎年定期的に開催し情報交換しているが、07年度は5月24日に開催。当日は薬剤師会から砂川副会長他5人、協会からは関理事長他4人が出席し、診療報酬改定および療担規則の変更などについて、意見交換を行った。

 関理事長、砂川副会長の挨拶、自己紹介の後、処方せん様式や療担規則の変更に伴う影響について、内田副理事長から協会理事者および関係委員を対象に行ったアンケート調査(別掲)の概要について報告し、議題に沿って懇談を行った。

 協会からは、生活保護患者への後発医薬品使用の強制問題やレセプトオンライン請求義務化問題についての協会の取り組みについて紹介した。

 薬剤師会からの意見は以下の通り。

  処方せん様式の変更と後発医薬品への 変更について

 ▽処方せん様式が変更されたことで、薬局薬剤師が積極的に後発医薬品を出しているのではという不安があるかも知れない。しかし、現行の処方せん様式では、医師が備考欄に署名をしない限り後発医薬品に変更できるが、変更できない薬剤もあることを念頭においている。変更できない薬剤等については機関紙で広報している(「メディペーパー京都」6月号参照)。

 ▽一つの薬剤について20くらい後発医薬品があり、薬価も異なる。薬担規則により、患者に対して後発医薬品に関する説明を適切に行わなければならず、大変苦労している。また、4月に「後発医薬品調剤体制加算」という施設基準が新設された。直近3カ月間の処方せん受付回数のうち、後発医薬品を調剤した処方せんの受付回数の割合が30%以上であることが要件になっている。協会のアンケート結果からすると、全処方せんの6割程度を後発医薬品にしないと30%の施設基準に合致しない。患者は後発医薬品にして大きく支払金額が変わるなら変更するが、さほど変わらなければ変更しない。そのため薬局では説明に時間を費やして結局変更しないというケースも多々ある。

 ▽薬剤師会で後発医薬品の安全な商品リストを作成して欲しいと言う声もあるが、メーカー指定につながるため、社団法人という立場上できない。

 ▽厚労省は、後発医薬品は先発品と同じと認可しながら、何か問題が起これば、医師・薬剤師に責任を問うという矛盾したことを言っている。

 ▽小さな調剤薬局でも現在1000品目程度の在庫をかかえており、病院の在庫医薬品数なみになっている。後発医薬品対策でもっと増える可能性がある。期限切れで廃棄する医薬品は、大きい薬局で年200〜300万円となり、医療費としては安くなるが国家的損失である。

 ▽一般名処方または先発医薬品処方において、後発医薬品に関する情報を文書で提供し、患者さんの希望により後発医薬品を調剤した場合は、後発医薬品情報提供料が算定できる。

 ▽後発医薬品に変更した場合は、医師に対して報告義務がある。

  夜間・休日等加算の算定について

 ▽夜間・休日等加算は府薬剤師会としては算定するというスタンスをとっているためほとんどの薬局で算定している。掲示義務があるため、夜間・休日等加算でのトラブルは少ないと聞いている。

  生保患者への後発医薬品使用促進について

 ▽生保患者への後発医薬品使用について、窓口負担がないため、変更の意志を確認しづらい。薬局としてもメリットがなく、患者からしても何故変えないといけないのかと言われる。薬剤師会として、このような通知発出に対して抗議はしていない。

  レセプトオンライン請求義務化について

 ▽レセプトオンライン請求義務化について会員の意識を高める努力をしている。アンケート調査も実施して会員の状況把握に務めている。地域的に遅れているところをいかにバックアップするかという議論はしているが、賛否をとる議論にはなっていない。北部市町村では1薬局しか調剤薬局がないところがあり、そういうところは、いまだに、手書き請求している。紙ベースで請求できなくなると薬局の存続が危なくなる。

  お薬手帳の使用方法について

 ▽お薬手帳を府薬で作成しており、患者さんには医療機関にかかるときには持っていくように説明している。できるだけ1冊にまとめるように注意書きも記載している。医療機関もできるだけ書いていただくようにお願いしたい。

【京都保険医新聞第2647号_2008年7月14日_2面】

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