京都府内高齢者虐待20%増/07年度介護職員通報、発見率アップ
京都府は9月19日、2007年度の府内の高齢者虐待状況を公表した。家庭内の虐待は429件と06年度より74件(20%) 増加し、息子による虐待が全体の約4割を占めていた。府は「高齢者虐待への関心が高まり、通報が増えている」としている。
虐待の種類は身体的虐待が41.8%と最も多かった。「ののしる」など心理的虐待が22.3%、通帳から勝手にお金を引き出したり、逆にお金を渡さないなどの経済的虐待が18.6%、介護や世話の放棄が17.5%だった。
虐待の通報者は介護支援専門員や介護保険事業所職員が44.2%と前年度より約6ポイントも増え、介護職員らの関心の高まりをうかがわせた。家族・親族は11.2%、被虐待者本人は10.0%だった。一方、近隣住民は4.5%、民生委員は7.8%にとどまり、地域とのつながりによる虐待発見は少なかった。
虐待した人は息子が最多で、娘が19.6%、夫が14.1%、妻が5.7%、息子の配偶者が5.5%など。虐待された人は女性が8割を占めた。約8割の人が介護保険制度の要介護認定を受けていた。