京都府内救急搬送さらに悪化/08年実態調査まとめ  PDF

京都府内救急搬送さらに悪化/08年実態調査まとめ

 京都府が4月23日までにまとめた2008年の府内救急搬送受け入れ実態調査で、搬送した重症患者のうち、複数の医療機関に受け入れを照会したケースが2割近くを占め、9病院から受け入れを断られたケースや、受け入れ先が決まらず救急車が現場に150分以上滞留したケースも3件あった。

 府消防安全課のまとめによると、08年の救急搬送人員は約10万4400人。うち重症患者は約8300人だった。重症患者を複数の医療機関に照会したケースは2360件で17%を占め、全国平均(15%)や07年の府調査(15%)を上回った。

 また、照会回数が4回以上だった例は196件あり、受け入れ先が決まらず、救急車が現場に30分以上滞在したケースも188件(2.6%)あった。

 受け入れに至らなかった理由は「手術中・患者対応中」(29%)が最も多く、次いで「処置困難」(24%)、「ベッド満床」(21%)だった。

 産科・周産期の患者では、病院を4カ所探したケースが4件、小児患者の搬送では8病院に断られた例が2件あった。

 京都府の救急搬送受け入れ実態調査で、搬送先の照会回数が10回に達したケースが明らかになった。

 南丹市で08年2月に発生した交通事故で、50代の女性が脚に大けがを負った。京都中部広域消防組合消防本部(亀岡市)が、病院の受け入れ状況を示す府救急医療情報システムで確認した医療機関などに電話で照会したが、「ベッド満床」「他の患者に対応中」などを理由に9回断られ、京都市内の病院に搬送したのは、救急車が現場到着してから80分後だったという。

 同消防本部は「日曜で診療体制が整っていなかったのが原因ではないか」とみている。

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