京都府内がん検診、受診率24%/府が調査、若者や専業主婦低く
京都府は1月18日までに、初めて府独自に行ったがん検診の実態調査の結果をまとめた。胃、肺、大腸、乳、子宮の5つのがんの平均受診率は24.6%で、特に若年者や専業主婦の受診率が低い傾向が分かった。
がん検診の受診率は、厚生労働省が市町村主催の検診だけを対象に毎年調べている。府は「対象が少なく、現状を反映していない」として、2008年10月に職場検診や人間ドックなども含めたアンケートを行い、約3100人から回答を得た。
その結果、がんの種類別の受診率は、胃25.4%、肺26.1%、大腸22.5%、乳30.4%、子宮21%だった。厚労省の06年度調査では、府内の市町村平均は、胃が全国最低の5.1%、最も高い肺でも12.4%で、調査対象を広げた結果、受診率も増えた。
特に、20代女性の子宮がんが9.3%、専業主婦の平均が19.6%、自営業も22.9%など低い傾向となり、専業主婦の多くが「申し込み方法を知らない」など、検診情報を入手できていない課題も浮かび上がった。
何らかの病気治療の一環でのがん検査も含めると、平均受診率は34.3%と高くなり、70代男性では受診率が23.3%から51.3%にアップし、高齢者は持病を治療する中で一定のがん検査も受ける傾向も出た。
府は12年度までに職場検診なども含む受診率を50%にする目標を掲げており、「年齢や職業別の受診傾向が分かった。きめ細かな受診を呼び掛けるなど今後の取り組みにつなげたい」(健康対策課)としている。