京都府に協会提言を手交 提言や国保問題で意見交換

京都府に協会提言を手交 提言や国保問題で意見交換

 協会は5月20日、京都府知事の「国保一元化」等の提案を受けて医療制度に係る企画・調整や調査研究を行い、「あんしん医療制度研究会」の事務局を担っている府健康福祉部医療企画課と面談。協会が2月22日に発表した「京都府提案への反論と地域医療提供体制への提言」を手交する機会を持った。協会は、府知事に対する直接面談での手交を求めたが、今回直接の担当課である同課が対応したもの。

 府からは医療企画課長であり、あんしん医療制度構築プロジェクト長の池上直樹氏が対応し、協会の提言や国民健康保険一元化、府内の医療提供体制を巡る現状等について意見交換した。

 協会からは、垣田副理事長、尾崎理事が出席。垣田副理事長は、提言作成の動機となった府の国保一元化提案にある都道府県への診療報酬決定権限委譲要求等の問題点を指摘し、医療者も自治体も共に協議し、知恵を出し合ってこそ、医療提供体制をめぐる課題の解決がはかれると述べた。尾崎理事は提言の内容を解説し、医療保障は国が責任を持って行うべきと基本的な考え方を示した。

 これに対し池上氏は、市町村国保の一元化ですべてが解決するわけではないが、国保が現状のままで成り立つのか、と問題意識を述べた。その上で知事が、常に国が医療のベースを保障する責任があることを述べている。府としてもこの課題から逃げずに考えていこうということだ、と基本的なスタンスを説明した。

 意見交換は短時間ではあったが、保険料格差の現状や広域化の問題点、医療機関の不足する地域へ診療報酬を手厚くすることがインセンティブになり得るのか等、広範囲にわたる話題について話し合った。

府の役割変化する中 府民の声を聞く必要

 一方、国会で国保の都道府県単位の広域化をすすめる国保法等改正案が成立(5月12日)し、今後、都道府県が国保を通じて、医療提供体制や保健事業等へ、これまで以上に深い関わりを持つことになる。京都府が知事自身も含め、直接に患者・府民や医療者からの意見を聞く機会をどう設定するのかは、地方自治の強化にとって重要な課題となっている。「地方分権改革」は、従来とは違う権限と責務を地方自治体へ移譲する。

 府としても、従来の枠組みや慣例を超え、府民の声を反映させる取り組みの強化が必要であり、この点についても協会は引き続き提起したい。

(右から)池上京都府医療企画課長と懇談する垣田副理事長と尾崎理事
(右から)池上京都府医療企画課長と懇談する垣田副理事長と尾崎理事

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