京都市、介護保険料下げ/09年度から260円減の見通し
京都市の門川大作市長は11月20日の市議会代表質問の答弁で、2009年度に改定される65歳以上の介護保険料を引き下げる方針を明らかにした。介護サービスの利用減少で生じた剰余金32億円の全額を充てることで、保険料は現行より260円減の4500円程度となる見通し。保険料の引き下げは京都市では初めてとなる。
65歳以上の介護保険料は3年ごとに市町村が改定し、09年度が3回目となる。介護保険制度が00年度にスタートして以来、京都市の保険料は当初の月額2958円から、3866円、4760円と増え続け、現在は全国平均より約700円も高くなっている。
市が保険料引き下げに充てる剰余金は、国が06年度から介護給付費の抑制に乗り出したことで、介護サービスの利用実績が計画を下回ったために生じたものだ。全国でも同様の現象が起きており、06年度末時点で全国の市町村が積み立てた基金は約2140億円に上る。
ただ、高齢者人口の増加に伴い、介護給付費の支出が増えることも予想される。このため、剰余金は将来に備え、基金として取り置くという選択肢もあったが、市介護保険課は「中期的に考えて運営に問題はないと判断した」としている。
この日の代表質問の答弁で、門川市長は「経済が悪化するなか、社会の礎を築いてきた高齢者の保険料増加(の負担) は避けるべきと考えた」と述べた。